おのみちわらべのおてだまは
わらべに来て下さっているあっこさんが
古い浴衣の生地をリサイクルしてつくってくれたもの
そして
北海道の北広島にお住まいの96才のトシさんが
80年選手の足踏みミシンでカタカタ塗ってくださったもの
トシさんにお会いした時に教えてくださった二つの大切なことは
いつも私の頭にあります
一つは
人にいじわるをしないこと
一つは
一生懸命働くこと
トシさんがお裁縫に使う布は
全て自分の周りで生きていた人々の大切な衣服やはぎれ
生地に手をかけて縫うことは
もう亡くなった人々と会話することなのだそうです。
私にはそれが祈りにもおもえました。
トシさんはスロウという冊子に
「生きる術を伝える人たち」
としてその美しい裁縫の横顔が大特集されたばかり、とのこと。
96歳のトシさんがミシンに向かう横顔の美しいこと…
そしてトシさんと呼吸を共にし
働き続ける足踏みミシン。
足るを知り工夫を重ねることで
命を繋いできたお手本のような
美しい佇まいの方。
私は顔をうずめて
思わず香りをくんくんと。
トシさんの香り
北海道の香り
冬の暖炉の香り
歴史の香り
大切な人々の温かな暮らしの香り
ご縁あって尾道の私のもとに届いたこの祈りの作品が
尾道の沢山の赤ちゃんやお母さんたちの手の中で
軽やかに踊り笑顔の輪の中心になります
あっこさんのお手玉も
古い浴衣を幸せにみんなで使えるかたちに仕立て直して下さった美しい作品で
そんな心が集まることがいつも嬉しくて
感謝感謝で使わせていただいています。