小学校の頃に 亡き母が私に贈ってくれた赤毛のアンの本。
アンの目標をもって学び続ける姿に影響を受けたかもしれない。
最初の海外渡航もカナダの大自然をめざして飛んでみた。
母は親を戦争で亡くし、祖父の家にもらわれて育った。
そういえば勝ち気で正直でユーモアたっぷりなところがアンと重なる。
そうか、母はアンと自らを重ねるところも多かったのだと今頃気が付いた。
そして 母亡き後、
静かに心の道しるべになってくださって下さる夫のお母様が
なんと 赤毛のアンのDVDを貸してくださった。
今、私と小学生になりたての娘は 夏休みの今、一緒にアンの世界に夢中。
改めてその世界にふれなおして心に響いたのは アンの周りの人々の精神。
彼女を導く人々の言葉や柔らかな心。
大好きなマシュウやマリラのたたずまいはもちろん、
そしてステイシー先生の導き!
先生の授業は自然を観察して身体を動かし、生きる力を呼び戻してくれるよう。
映画の中の彼女の言葉、人間の洞察がすごい。
「真実を聞きたくないこともあるのよ。
それが恐ろしくて自分を守るために壁を作るの。
人生には時々そういう試練や苦しみにぶつかることがあるわ。
でもそれは役に立つものよ。
人間を作るわ。
失敗から教訓を学ぼうという姿勢が有る限りね。
明日は常に新しい出発なのよ。
真実がある限りくじけないのよ。
誰があなたを責めようと 最後にはきっと真実が救ってくれるわ」
そして
ギルバートの言葉
「恨んでないよ 恨むのは人生の無駄だ」
そう、
きっと人として生きる以上、さまざまな恨みごとは発生する。
しかしそれを自分の心がためるか流すか転換するか。
そう、大丈夫 真実が救ってくれるから。
壁を作って自己防衛している人がたくさんたくさん見えている。
都合の悪いことを見ないようにする壁。それはその人自身が作っているもの。
そんな人間の光と影の鋭い観察には多くのことが学べる。
主人公のアンだって完璧じゃない。登場人物の皆が完璧じゃない。
アンには「赤毛」という壁があって、
それは世界の全てであるかのような悩みだったけれど
だんだん、それを味方にしていく。
悩みがだんだんちっぽけに、美しい魅力となっていく。
まっすぐな気持ちでぶち壊すのが アン。
相手にどんな大きな壁があっても
ここには壁はないし ここで笑んでいるし
真実は時間を経てつながるから。
アンは沢山の人に疑われても
真実の心で天然にみんなの心を解きほぐしてゆく。
アンみたいなよそ者の成功を簡単には受け入れない保守的な土地へ入っても、
都会で人に利用され、骨身を削った作品を横取りされ、裏切られても
芯は失わない。
人生の折り返し地点に来て、さまざまな土地と人の中で過ごし、
私も本当にそう思う。
時に人生は思いもよらな方へ向かう。
人生、たまには道をそれることもあるけど
人は必ず自分の愛する場所があって、そこへ戻る。
自然の美しさの中に身を置き、良心に沿い
成すべきミッションと信じる心があれば、それは幸せ。
原作の分厚い本もぼちぼち読み直していこう。
新たな発見がたくさんあるに違いない。
アンに勇気をもらいながら
明日は常に新しい出発。